PubMed論掲載報告【Clinical Endoscopy誌:筆頭著者 五嶋敦史 助教 他、Intralesional steroid infusion using a spray tube to prevent stenosis after endoscopic submucosal dissection of esophageal cancer】

 広範囲な表在型食道癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)後の合併症として術後狭窄がある。狭窄の予防的処置として、ESD後潰瘍に対するステロイドの局注法が普及している。しかし従来の局注針を用いたステロイド局注は穿孔や食道壁外への薬剤のリーク、膿瘍形成のリスクが報告され、術者にとってもストレスのかかる手技である。我々の考案した新しいステロイド注入法は、散布チューブ(ファイン・ジェット トップ社)をESD後潰瘍に軽く押し当てて噴霧するだけで粘膜下層に薬液を浸透させることができる。
 具体的には、ESD終了直後にトリアムシノロンアセトニド80mgを生理食塩水で計20mlに調整した薬液を潰瘍底全体に対して均等に注入する。今回、切除範囲が管腔の3/4周以上の切除となった24例に対して、本法を実施した。19例において嚥下障害はなく、拡張も要さずに良好に経過した。5例において狭窄あるいは嚥下障害スコアの増悪を認めたが、全例4回以内のバルーン拡張術によって軽快した。穿孔などのステロイド注入に関連する偶発症は認めなかった。以上より、我々の考案した散布チューブによるステロイド注入法は、安全かつ簡便に実施可能であり、狭窄予防効果も期待できると考えられた。

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https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35898149/

(五嶋 敦史)

PubMed論掲載報告 ~Clinical Endoscopy誌:筆頭著者 五嶋敦史 助教~