PubMed論文掲載報告【Bioengineering誌(IF4.486)：永井寛之 他、Optimizing the Seeding Density of Human Mononuclear Cells to Improve the Purity of Highly Proliferative Mesenchymal Stem Cells. Bioengineering (Basel). 2023 Jan 11;10(1):102.】

当科で、患者骨髄液に存在する間葉系幹細胞を使った肝臓再生療法を開発し、現在、医師主導治験を進めている。幹細胞は一度、体外に取り出し、培養皿上で増やす必要がある。このとき、患者の年齢・病状によって、細胞が上手く増えないケースがあり、培養が不安定になる課題があった。

私たちはその課題を解決する為、免疫細胞や血球細胞が混在する骨髄液から幹細胞を分離する初期培養に着目し、解析を行った。その結果、(1) 培養皿に細胞を播く密度、(2) 幹細胞の培養期間、(3) 培養皿から細胞を剥がす試薬の反応時間の3点を調整することで、高品質な幹細胞が高純度に得られることを見出した。本手法で得た細胞は増殖能力が優れ、培養を安定化させる効果を示した。さらに、本手法は実施が容易で、汎用性に優れるため、今後、幹細胞を培養する多くの製造施設で活用され、再生医療の発展に貢献すると期待される。

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https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36671674/

（永井 寛之）